秋田市で平屋が選ばれる理由。建築家と建てる平屋という選択

こんにちは。あしたのいえの船尾です。

秋田は竿燈の季節を迎えました。2026年は8月3日から6日までの開催で、街に灯りが戻るこの数日は、私にとっても一年の節目のような時間です。一方で今週は日中の暑さがかなり厳しく、県内では大雨への警戒も呼びかけられています。お祭りを楽しみながらも、どうか水分と休息を十分にとってお過ごしください。

さて、ここ最近ご相談の場で明らかに増えているのが「平屋で考えたいのですが、どうでしょうか」というお声です。ご夫婦お二人の暮らしから、小さなお子さんのいるご家族まで、年代を問わずご相談をいただきます。今日はこの平屋について、秋田で家を建てるという前提でお話ししてみたいと思います。


■この記事のポイント

・平屋の着工数は全国で増加傾向。住宅全体が減るなかでも伸びている
・秋田の平屋は「雪の行き先」と「夏の暑さ・湿気」をどう設計に織り込むかが要
・広い土地でなければ建てられない、とは限らない。配置の工夫で成立することがある
・耐震等級3を標準とする考え方は、平屋でも変わらない
・金利は上昇局面。補助制度は年度ごとに変わるため、計画段階での確認が欠かせない


【目次】

1. なぜ今、平屋を選ぶ方が増えているのでしょうか?
2. 秋田の気候と平屋は、どう向き合えばいいのでしょうか?
3. 平屋には、本当に広い土地が必要なのでしょうか?
4. 平屋の暮らしやすさは、どこから生まれるのでしょうか?
5. 平屋の耐震と断熱は、どう考えればいいのでしょうか?
6. 金利と補助金が動く今、資金計画で何を確認しますか?
7. 建築家と建てる平屋は、何が違うのでしょうか?


■なぜ今、平屋を選ぶ方が増えているのでしょうか?

[画像:夕暮れの秋田の住宅地に建つ、軒の深い平屋の外観。窓に灯りがともる]

感覚の話ではなく、数字にも表れています。国土交通省の建築着工統計をもとにした集計では、木造平屋の着工数は2012年の約3万2千棟から、2025年には約6万棟へとおよそ2倍に増えました。住居用住宅全体に占める割合も、7%台から16%台へと伸びています。新設住宅の着工戸数そのものは全国的に減少が続いているなかでの増加ですから、これは相当はっきりした流れだと言っていいと思います。

理由はひとつではありません。ご夫婦二人、あるいは親御さんとの同居を見据えて、階段のない暮らしを望まれる方。共働きで、洗濯や片付けの移動をとにかく減らしたい方。屋根が低いぶん、外壁や屋根のメンテナンスで足場を組む負担が軽くなることを重視される方。動機はさまざまです。

共通しているのは、「広さ」よりも「暮らしやすさ」を先に置いて考えている、ということです。かつては床面積の大きさが家の価値だと考えられがちでしたが、今はそうではありません。必要なものが必要な場所にあって、無駄な移動がない。その結果として平屋という答えにたどり着く方が増えている、というのが私の実感です。


■秋田の気候と平屋は、どう向き合えばいいのでしょうか?

[画像:雪の積もった庭と、雪が落ちる方向に余白を確保した平屋の屋根まわり]

ここが秋田で平屋を建てる際の、いちばん大事なところです。

・雪のこと

まず雪です。平屋は屋根の面積が二階建てより広くなります。つまり、屋根に載る雪の量も増えるということです。ここで問われるのは「その雪がどこに落ち、どこにたまるのか」。玄関の真上から落ちる設計になっていないか、隣地との境界に雪が寄っていかないか、除雪した雪を積んでおくスペースが敷地内に確保できているか。この三つは、土地を見る段階から設計者と一緒に確認したいポイントです。

一方で、平屋には雪に関して有利な面もあります。屋根が低いので、様子を確認したり手入れをしたりするのが二階建てより格段にやりやすい。将来ご自身で屋根に上がるのが難しくなったときも、業者に頼む際の負担が軽くなります。長く住むことを前提にすると、この差は小さくありません。

・夏のこと

次に夏です。この記事を書いている8月上旬も、秋田は厳しい暑さの日が続いています。以前は「秋田の家は冬を基準に考えればいい」と言われましたが、今はそうもいきません。平屋は屋根から入る熱の影響を受けやすい形ですから、屋根の断熱をしっかり確保すること、そして軒や庇で夏の日差しを遮ることが効いてきます。逆に冬は、低い角度の日差しを室内の奥まで取り込みたい。同じ窓で夏は遮り冬は入れる、という設計上の工夫が、平屋ではとくに効果を発揮します。

・雨のこと

そして大雨です。近年は短時間に強い雨が降ることが増えました。平屋は生活のすべてが一階にありますから、敷地の水はけと、道路や隣地との高低差の確認は欠かせません。ハザードマップで浸水の想定を確かめたうえで、必要なら基礎の高さや駐車場の勾配を計画に織り込みます。これは土地を決める前に済ませておきたい作業です。


■平屋には、本当に広い土地が必要なのでしょうか?

[画像:敷地図を広げて配置を検討する打ち合わせの手元]

「平屋にしたいけれど、うちの土地では無理ですよね」。よくいただくご質問です。

結論から申し上げると、二階建てより広い敷地が必要になるのは事実ですが、郊外の大きな土地でなければ建てられない、というわけではありません。同じ延床面積を一階にまとめるので建築面積は当然大きくなり、建ぺい率が効いてきます。ただ、そこから先は配置の工夫の余地がかなりあります。

たとえば建物をL字やコの字に折って中庭を抱え込めば、道路や隣家からの視線を切りながら、各部屋に光と風を届けられます。細長い土地なら、建物を敷地の片側に寄せて反対側を通り道と駐車、雪置き場としてまとめて使う。前面道路との高低差があるなら、それを玄関アプローチの見せ場に変える。土地の制約は、設計次第で個性に変えられます。

大切なのは、土地を買ってから「さて平屋が建つだろうか」と考えるのではなく、土地を見る段階で設計者に同行してもらうことです。私たちが土地探しからのご相談をおすすめしているのは、この順番がそのまま結果に効いてくるからです。


■平屋の暮らしやすさは、どこから生まれるのでしょうか?

[画像:キッチンから洗面・室内干しスペースまでが一直線につながる平屋の内観]

階段がないこと自体よりも、私は「家族の距離感が変わること」が平屋の本質だと思っています。

二階建てでは、子ども部屋が二階にあるとお子さんが上がってしまい、顔を合わせる時間が減ります。平屋なら、どの部屋にいても気配が伝わる。これはお子さんが小さいうちは安心につながり、思春期には少しうるさく感じられるかもしれません。だからこそ設計では、つながりと独立のバランスを意図的に設計します。個室は最小限にして共有部を豊かにするのか、寝室ゾーンを廊下で明確に切り分けるのか。ご家族の考え方によって答えは変わります。

家事の面でも平屋は有利です。洗濯機から干し場、そしてしまう場所まで、階をまたがずに一直線でつなげられる。買い物から帰って、駐車場、勝手口、パントリー、キッチンと荷物を持ったまま歩く距離が短い。前回のブログで家事動線のお話をしましたが、平屋はその考え方をもっとも素直に形にできる住まいの形です。

一方で、注意すべき点もあります。建物の中心部に光が届きにくくなること。すべてが一階なので、道路や隣家からの視線を受けやすいこと。この二つは、天窓やハイサイドライトの計画、中庭や塀・植栽による目隠しで解いていきます。ここは設計力がそのまま住み心地の差になる部分です。


■平屋の耐震と断熱は、どう考えればいいのでしょうか?

[画像:構造用パネルで固められた施工中の平屋の躯体]

先日のブログでも地震への備えについて書きましたが、平屋だからといって考え方が変わることはありません。あしたのいえでは耐震等級3を標準としており、これは平屋でも同じです。

平屋は建物の重心が低く、地震の揺れに対して構造的に有利に働く面があります。ただし油断はできません。平屋の魅力である大きな開口部や、間仕切りの少ない広い空間は、壁の量が減ることを意味します。どこに耐力壁を配置し、屋根の重さをどう支えるか。この検討を丁寧に行ってはじめて、開放感と強さが両立します。私たちが高耐震・高断熱パネルを用い、長期優良住宅の考え方に沿って設計を進めているのは、この両立のためです。

断熱については、先ほど触れたとおり屋根面がポイントになります。平屋は延床面積に対する屋根の割合が大きいため、屋根の断熱性能が室内環境に与える影響が二階建てより大きい。ここに手を抜くと、夏は二階建て以上に暑くなりかねません。逆にきちんとつくれば、冬の暖房費でも夏の冷房費でも効いてきます。24時間換気と組み合わせて、空気の質まで含めて整えていく考え方です。


■金利と補助金が動く今、資金計画で何を確認しますか?

[画像:資金計画の書類と電卓、コーヒーの置かれたテーブル]

ここは正直にお伝えしたいところです。

【フラット35】の2026年8月の金利が発表され、返済期間21年以上35年以下の最低金利は年3.290%となりました。前月からさらに上がっており、現行の制度では最も高い水準と報じられています。変動金利も、上げに動く金融機関と据え置く金融機関が分かれながら、全体としては上昇の方向にあります。適用される金利は返済期間や融資の割合、金融機関によって変わりますので、必ずご自身の条件で確認してください。

補助制度については、国のみらいエコ住宅2026事業が第2期の受け付け期間に入っています。新築では省エネ性能に応じた区分が設けられており、長期優良住宅も対象に含まれます。予算に対する申請額の割合は2026年7月時点で3割を超えたと報じられており、後半になるほど動きは早まる可能性があります。制度の内容や補助額、締め切りは変わり得ますので、最新の情報は国土交通省の公式ページでご確認ください。

そのうえで申し上げると、金利のニュースだけを見て「もう遅い」と諦めるのも、「早く決めなければ」と急ぐのも、どちらも危ういと思っています。確認していただきたいのは、毎月の返済額そのものよりも、金利が動いたときにどれだけ余裕が残るか。そして土地代・建築費・諸費用・外構・家具まで含めた総額です。平屋は坪単価だけ見れば二階建てより上がりやすい形ですが、生活動線が短くなることで必要な面積を見直せる場合もあります。坪単価ではなく総額で比べる。これが平屋を検討するときの、いちばん実際的なアドバイスです。


■建築家と建てる平屋は、何が違うのでしょうか?

[画像:中庭を囲む平屋のリビングから、庭越しに空を見上げる視線]

ここまでお読みいただいて、お気づきかもしれません。平屋の課題として挙げたことは、そのほとんどが「土地と建物の関係をどう設計するか」に集約されます。雪の行き先も、視線の切り方も、光の取り込み方も、耐力壁の配置も、すべて敷地固有の条件から答えが変わります。

だから平屋は、既製のプランを当てはめるのではなく、その土地とご家族に合わせて一からつくる価値がとても大きい住まいの形です。あしたのいえが建築家と建てる家をお勧めしているのは、まさにこの点です。平屋の商品として「あしたのHIRAYA」もご用意していますが、いずれにしても出発点はご家族の暮らし方と、その土地が持っているクセです。

そしてお引き渡しのあとも、アプリ「マイホム」でチャットからご相談いただけます。住み始めてから気づくこと、季節が一巡してわかることは必ずあります。そのときに気軽に聞ける相手がいる。これも私たちが大事にしていることです。


■あわせて読みたい

・秋田市の土地探しと資金計画。金利も地価も動く今、家づくりの順番をどう考えるか
 https://www.ashitanoie.jp/diaryblog/ ※要差し替え(記事個別URL)
・秋田の夏を涼しく暮らす。建築家と建てる高断熱の家という選び方
 https://www.ashitanoie.jp/diaryblog/ ※要差し替え(記事個別URL)
・あしたのいえの施工事例を見る
 https://www.ashitanoie.jp/house/
・お客様の声
 https://www.ashitanoie.jp/voice/


■まとめ

平屋は、階段がないというだけの家ではありません。雪をどこに落とすか、夏の日差しをどう遮り冬の光をどう入れるか、視線をどう切るか。秋田で平屋を建てるということは、その土地の条件と正面から向き合うことでもあります。

だからこそ、面白い。制約がある土地ほど、設計の答えが出たときの手応えは大きいものです。金利や制度の話は確かに気になりますが、それは条件のひとつにすぎません。まずはご家族がどんな一日を過ごしたいのか、そこからお聞かせいただければと思います。

竿燈が終われば、秋田は少しずつ秋に向かいます。家づくりを考え始めるには、いい季節です。


■あしたのいえ(秋田セントラル不動産株式会社)について

Home for wonderful tomorrow! 家づくりって、きっと素敵な明日のためにあるんだ。
秋田市を中心に、潟上市・能代市などで注文住宅・不動産・分譲住宅・リフォームを手がけています。

私たちの4つの強み
1. 耐震等級3を標準としています
2. 高耐震・高断熱パネルを採用しています
3. 長期優良住宅の考え方に沿って設計しています
4. ご入居後もアプリ「マイホム」でチャット相談ができます

※省令準耐火構造・24時間換気にも対応しています。
秋田市保戸野通町5-37 菊谷ビル1F
あしたのいえ専用TEL 0800-800-7725(受付9:00〜18:00・定休日不定休)


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■よくある質問

Q. 平屋は二階建てより建築費が高くなるのでしょうか?
A. 同じ延床面積で比べると、平屋は基礎と屋根の面積が大きくなるため、坪あたりの単価は上がりやすい傾向があります。ただし総額は延床面積や仕様、土地の条件によって変わります。平屋にすることで生活動線が短くなり、必要な面積そのものを見直せる場合もありますので、坪単価だけでなく総予算で比較することをおすすめします。

Q. 秋田で平屋を建てるとき、雪の影響はどう考えればいいですか?
A. 屋根の形状と雪の落ち方、落ちた雪をためておく場所、玄関やアプローチの位置関係を、設計の早い段階から一体で考えることが大切です。平屋は屋根が低く点検や手入れがしやすい一方、屋根面積が広くなるため、雪の行き先を土地のどこに確保するかが計画の要になります。

Q. 平屋を建てるには広い土地が必要ですか?
A. 一般的には二階建てより広い敷地が必要になりますが、必ずしも郊外の大きな土地でなければ建てられないわけではありません。建ぺい率や道路との関係、隣家との距離を踏まえて配置を工夫すれば、市街地の土地でも平屋が成立することがあります。土地探しの段階から設計者と一緒に見ていくのが確実です。

Q. 平屋でも耐震性能は確保できますか?
A. あしたのいえでは耐震等級3を標準としており、平屋でも考え方は変わりません。平屋は建物の重心が低く、構造的に有利に働く面もあります。ただし大きな開口部や広いワンルーム的な空間をつくる場合は、耐力壁の配置を含めた構造の検討が欠かせません。

Q. 平屋の相談はどこにすればいいですか?
A. 秋田市保戸野通町のあしたのいえまでお気軽にご相談ください。専用電話0800-800-7725(受付9:00〜18:00)、または資料請求・来場予約のフォームからご連絡いただけます。土地をお持ちでない段階からのご相談も歓迎しています。


■執筆者プロフィール

船尾 教司(ふなお のりつか)
秋田セントラル不動産株式会社「あしたのいえ」代表取締役。建築家と建てる家=注文住宅を中心に、不動産売買から分譲住宅・リフォームまで地域密着で取り組んでいます。

会社概要 https://www.ashitanoie.jp/company/
Instagram https://www.instagram.com/ashitano_ie/


あしたのいえ 秋田セントラル不動産株式会社 船尾 教司

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